by Yamamoto_Attorneys
家族法:財産分割における、別居後に得た遺産の扱いについて
2019年の統計によると、オーストラリアにおける結婚から別居に至る平均期間は8.5年、結婚から離婚までの平均期間が12. 2年です。つまり、法律上では1年間の別居で離婚することが可能であると規定されているものの、実際には別居から離婚するまでに平均4年程度の時間が費やされているということです。一般に財産分割の協議は、別居を開始してから離婚が成立する前に行われることが多くなりますが、感情のコントロールがまだうまくできない時期でもあり、交渉に費やされる期間が長期化することが多々あります。裁判所を介しての財産分割協議になるとその期間がさらに長期化するのは自明の理です。 協議が長期化していく間に、お互いの貯金やスーパーアニュエーションが増加したり、不動産価格の上昇に反してローン額が減少したりと、別居時から財産分割合意までに総資産額が増加することも多々あります。...
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不動産購入の流れについて(2)物件調査と決済まで
頭金を支払い、不動産購入の契約にサインした後は、どのようなことが行われるのでしょうか。 前回に続き、今回は不動産購入の物件調査と契約締結(Exchange of Contract)から決済(Settlement) までの流れについて解説します。 物件調査レポートの精査 物件はそのままの状態で購入という前提になっているため、契約締結後に見つかった物件の欠陥を根拠に契約を破棄することは基本的にはできません。 契約書にサインした直後に建物の調査レポートや...
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オーストラリアでの不動産購入の流れについて
Part I:気に入った物件が見つかってから契約締結まで オーストラリアの不動産市場の上昇傾向が続いていますが、初めて自宅を購入しようと考えている方も多いのではないでしょうか。不動産エージェントから弁護士を雇うようにと言われても、弁護士に何をしてもらうのかよくわからないというご質問を頻繁に受けます。 今回は、不動産購入の契約締結までについての流れと留意点について解説します。 購入者(買主)の権利と利益を守る弁護士 まず購入者として留意すべき点は、不動産エージェントや銀行などのローンの提供者からのアドバイスは必ずしも買主の利益を考慮したアドバイスとは限らないということです。...
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Victims Support Scheme ( 被害者等援助制度)
先日発表された今年のAustralian of the Yearは、タスマニア出身のグレイス・テイムさん(26歳)です。テイムさんは高校1年生で15歳の時学校の数学の先生から性的暴力を6か月間にもわたり受けました。当時、タスマニアでは性的暴力被害者が事件について発言することを禁じる法律(sexual-assault victim gag laws)があり、メディアや加害者は事件について公に話すことができても、被害者は実名で自分から話すことが許されていませんでした。テイムさんは自身の辛い経験を背景に、勇気をもってこのような法律の法改正のためのキャンペーン運動と性犯罪の被害者が受けるインパクトについての理解普及・啓発活動への貢献が認められ受賞となりました。...
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賃金・手当ての支払い不足(Wage Theft)について
雇用主がアワードなどで規定された賃金や手当を下回る支払いを行っている状態をWage Theftと呼びます。具体的には、最低賃金を守らない、カジュアルの上乗せ賃金を払わない、週末や祭日のペナルティレートを払わない、有給やスーパーを規定通りに払わないなどが挙げられます。
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