個人売買で物を購入する際のリスク
今月はGumtreeやeBayを通じた個人売買での買い物におけるリスクについて解説します。
個人売買のメリットは、一般的に正規の店より割安で購入できることでしょう。その一方で「消費者法の保護の対象外」であるという大きなデメリットがあることを認識することが重要です。従って、トラブルの際に自分にどんな権利があるのか、またその手続きについて、購入先サイトのポリシーを事前に良く確認しておくことが大切です。
Gumtreeの場合、あくまでも地域の広告サイトであるという立場から、売主の広告を事前に確認していないので買主に対して何の保証も提供しないというシステムになっています。そのため、購入を決める前に商品を直接確認することを推奨しています。eBayの場合、購入した商品を受領できない場合返金保証をしています。商品が約束の期限を過ぎても受領できない場合、買主はeBayに通知し売主に回答を要求し、期限内に回答がなければ、買主はeBayに解決を依頼できます。また購入した商品が説明と異なる場合も期限内に返品を要求すれば、売主は3営業日以内に回答する義務を負うと同時に返品費用を提供しなくてはなりません。この条件を満たさない場合、買主はeBayに解決を依頼することができます。返品が認められた場合、5日以内に返品し、売主は返品受け取り後3営業日以内に返金する義務があります。万一売主からの返金がなくても、eBayが売主に代わって買主に返金を行います。その他の返金要求方法としてクレジットカードやデビットカードの発行機関に返金を要求するチャージバックも可能です。カード発行機関により手続きの期限は異なります。
一方、上記のような解決法が該当しない例として中古車の購入を見てみましょう。ビクトリア州ではディーラーから中古車を購入する場合、車が製造後10年未満(Build plateに押されている日付から換算)かつ走行距離160,000キロ未満であれば保証の対象となります。保証期間は購入後3カ月、または5000キロ走行のどちらか早いタイミングまで続き、この期間中であれば、ディーラーは不具合を補修する義務を負います。この保証期間を過ぎても消費者としての権利は存続します。ディーラーは同時に保証の対象外となる不具合と修繕コストについて通知する義務を負っています。またディーラーから購入する場合、契約後3日間のクーリングオフの対象となります。その場合、$100もしくは購入価格の1%どちらか多い額を支払えば良いことになります。
保証を提供しないGumtreeはもとより、eBayでも車は返金保証の対象外です。従って購入を決める前の細かい精査が重要なのは当然といえるでしょう。具体的には、売主が実際に車の所有者かどうか確認するPersonal Properties Security Registerサービスを入手、Roadworthy Certificateに加えComprehensive pre-purchase inspectionを依頼、所有者、事故、サービス記録を確認、必要であればCar History Reportを入手するなどが挙げられます。それ以外にも実際の試運転を行い、Inspectionで見つかった不具合の修繕コストを誰が負担するかを交渉するなど、念には念を入れた精査をすることが後々のトラブルを避けることにつながることは言うまでもありません。
なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。