NSW州、対日本人への外国人追加印紙税、土地税を免除へ
2023年5月29日、Revenue NSWは、これまで外国人の不動産購入時に課していた追加印紙税、および毎年課税されていた土地追加税について、これらの税を日本国民に課すことは豪州連邦政府が批准している国際租税条約規定違反であることを発表しました。
もともと2023年2月に同様の発表がニュージーランド、フィンランド、ドイツ、南アフリカ国民に対して行われており、今回追加でインド、日本、ノルウェー、スイスが免税対象国となりました。
これにより、NSW州政府に対して日本国民が支払っていた追加印紙税、土地税の中で2021年1月1日以降に支払われたものは還付対象となることが決定しました。
現在Revenue NSWは還付対象者に対し自発的に電話もしくはe-mailにて連絡を取ると発表しています。ご自身が還付対象に該当すると思われる場合、Revenue NSWに直接コンタクトすることも可能です。
還付手続きには最大28日かかるとされ、還付はオーストラリアの銀行口座へなされます。
弊所のこれまでの経験では、還付金の額は支払い日によって決定されるため、不公平な還付決定になる場合があることがわかっています。例えば日本在住でNSW州に投資物件を保有している人は追加土地税を支払っていますが、支払い期日通り支払ってきた場合と支払いを怠ってきた場合で還付金対象となる課税年度が異なる結果となってしまうのです。Revenue NSWは2021年1月1日以降に支払われた税額を全額還付するとしており、税金を期日通り支払ってきた場合の還付額が未払い状態にあった人よりも少なくなる、という状態が生まれています。なぜならこうした人は2021年度以降の課税額の返金しか受けられない一方、2018年から税金を支払わない状態が続いていて、2021年1月2日に全額を支払った人の場合、還付額は2018年度の税金分も含めて全額となるからです。
ちなみにNSW州の決定に対し、VIC州は3月15日に引き続き全ての外国人に対する追加課税を行うと発表しており、その他の州からは特にコメントなどは発表されていません。今後、他州の対応を注視するべきでしょう。