シートベルトカメラの新導入
運転の際のシートベルト着用の義務は今や誰しもが知っていることだと思います。実にNSW州では運転手の着用は50年も前から義務付けられていることで、近年に至っては同乗者全てに対して着用が義務付けられており、同乗者のシートベルト不着用は運転手のライセンス義務違反として処罰を受ける対象となっています。
最近、ある短期滞在者からお電話を受けました。話によると、助手席に同乗した際シートベルトを着用していなかった為、運転手が多大な罰金及びダブル失点を受けてしまったということでした。助手席に乗り込んだ後すぐに眠ってしまったためシートベルトが着用できなかったということでしたが、無罪放免にしてもらうことはできるか、ということがご質問でした。カメラによる取り締まりであり、また着用免除対象となりえる病気や障害などをお持ちの方ではなかったため、残念ながら回答はノーとなることを電話口でご説明しました。
NSW州では7月1日からシートベルトカメラが導入されました。これまで携帯電話使用取り締まりに使用していたカメラにシートベルト不着用の証拠写真撮影機能を追加したものですが、既存のものに加えて新たに今後2700か所にカメラを設置をしていくということです。反則通知を受けた際にはNSW State Revenue Officeに再検討を要請することは可能で、さらに裁判所に申し立てを行う機会も与えられていますが、一般には、全くの人違いであることを証明できる場合や、非常事態などで不着用が不可避であったことを証明できる場合などでない限り、無罪放免が認められることはないと思ってよいと思います。持病や障害などで着用免除対象の方の場合には事前に医師からの免除証明書を入手しておく必要があります。ただし、医師が免除証明書を出すにあたっては厳格な基準を満たす必要があり、容易に発行されるものではありません。
なお、運転手が処罰を受けるだけでなく、違反同乗者が16歳以上の場合には同乗者自身も罰則対象となります。 シートベルト不着用であったばかりに命を落とすケースがNSW州では年間に30件ほどあるそうです。事故は思わぬ時に起こるものです。どんな状況下であってもシートベルトは忘れずに。